元教師です。
屋久島の高校で、英語とITを10年教えていました。
赴任して2年半で主任になり、やる気も、仕組みも、道具もそろえた。それでもチームは動かなかった。鹿児島でAI研修を考えている経営者の方に最初にお伝えしたいのは、AIは「配る」だけでは何も変わらない、ということです。 変わるのは道具ではなく、チームの「誰が・何を・どう決めるか」のほうです。
この記事でわかること【2026年9月時点】
- 仕組みと道具を配っても、チームがついてこなかった元主任の実話
- AI研修が「ChatGPTのアカウント配布」で終わる会社に共通していること
- チームビルディングと同じ設計で、鹿児島のAI研修を組む方法と費用(助成金の条件つき)
目次
仕組みは作った。道具も配った。それでも動かなかった

僕が屋久島の通信制高校に赴任したのは2016年です。
その前はカナダで山岳ガイドをしていて、永住権が取れずに帰ってきた身でした。悔しさをそのまま燃料にしたような、暑苦しい教師だったと思います。
赴任して2年半で、主任になりました。
やったことは、いま思い出しても真面目です。
業務の手順書を作る。共有のフォルダを整える。連絡はチャットに集める。「これで全員が同じ情報を見られる」と、本気で思っていました。
でも、チームはついてこなかった。
手順書は読まれない。フォルダは誰も更新しない。チャットは僕だけが書いている。
ちょうど子どもが生まれた時期でもあって、家でも職場でも空回りしていました。悔しくて涙が出た日もあります。
そのときの僕の結論は、こうでした。
「あいつらのやる気の問題だ」
いまなら分かります。僕は「道具」を配っていただけでした。誰が、どの場面で、何のためにそれを使うのか。チームで一度も話していなかった。
会社で起きていることは、たぶん同じです
最近、AIの導入を相談されることが増えました。
話を聞くと、多くの会社で同じことが起きています。
ChatGPTの有料アカウントを全員分そろえた。社内チャットに「AIを活用しましょう」と流した。使い方の動画も共有した。
3か月後、使っているのは社長ともう1人だけ。
これ、僕の主任時代とまったく同じ構造なんですよね。
道具は届いている。使い方も分かる。でも「うちの業務のどこで、誰が、どう使うか」が決まっていない。だから、忙しい人から順に元のやり方に戻る。
パーソル総合研究所の2026年の調査では、生成AIを使っている人の業務時間は平均で約17%減ったと報告されています(パーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」)。効果は本物です。
でも、その効果は「使っている人」にしか出ない。配られただけの人には、1分も戻ってこない。
「一人だと止まる、隣に人がいると動く」
もうひとつ、僕が最近はっきり感じたことがあります。
画面共有をしながら、一緒にAIを操作するサポートを始めました。相手は美容サロンの集客を教えているスクールの方。「AIでこういうことをやりたい」というイメージは、はっきりしていました。
その日の目標は、AIに自分の仕事のやり方を覚えさせて、受講生に配れる形にすること。
文字にすると簡単そうです。でも、実際に始めると次々に手が止まる。
「これはどこから呼び出すの?」
「保存って、どのタイミングで押すの?」
一人でやっていたら、たぶん最初の10分で閉じていたと思います。
でも、隣に人がいると進む。どんどん進む。
終わったあとに気づいたんです。この人は、能力がないわけでも、センスがないわけでもない。ただ、一緒に進んでくれる人がいなかっただけだ。
これはコーチングとまったく同じ構造です。
「自分のことは自分が一番わかっている」と思って始めても、誰かと話すと、一人では出てこなかったものが出てくる。伴走する人がいると、進む速さが変わる。
AIも、コーチングも、突破口は同じでした。
AI研修を、チームビルディングと同じ設計で組む

ここまで読んで、「じゃあAI研修って、結局なにをするの?」と思われたかもしれません。
僕らが鹿児島で提供しているAI研修は、生成AIを日々の業務にそのまま使える形で身につけていただく、12時間・全6回(2時間×6回)のオンラインライブ研修です。提案資料・議事録・お客さま対応・SNS発信・事務の自動化など7つのテーマから、貴社の業務に合わせて6回分を組みます。
内容の説明は研修ページに譲るとして、ここでは僕が設計で一番大事にしていることを書きます。
初回は、AIの使い方をほとんどやりません。
やるのは、チームで「決める」ことです。
うちの業務のどこに時間が溶けているのか。提案資料なのか、議事録なのか、予約の返信なのか、SNSの投稿なのか。それを誰が担っていて、AIに渡せるのはどこまでで、人が持ち続けるのはどこか。
これを、参加者全員で言葉にする。
僕が主任時代に飛ばしたのは、まさにここでした。ここを飛ばして道具を配ると、月曜日には元に戻ります。
2回目以降は、決めた業務に対して実際にAIを使い、次の回までに現場で試し、持ち寄って直す。この繰り返しです。
だから、6回の間にチームの会話が変わります。「AIどう使う?」が「この仕事、誰が持つ?」に変わる。
これは、僕が屋久島の森と焚き火でやっている体験型研修と、まったく同じ思想です。相手を変えるのではなく、チームの環境と決め方を変える。そのことは「動かない部下」を作っていたのは僕だったにも書きました。
道具がAIに変わっただけで、やっていることは変わっていません。
費用と、先に知っておいてほしい条件
受講料は40万円/名(12時間)です。
この研修は、厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象となるよう設計しています。中小企業の場合、経費助成75%(上限30万円/名)が適用されると、実質負担の目安は10万円/名です。
ただし、正直に書いておきたい条件が3つあります。
- 対象は、雇用保険に加入している従業員の方だけです。経営者ご本人や役員は、同席はできますが助成の対象にはなりません
- 受講料は先にお支払いいただき、助成金の入金は支給申請後おおむね半年程度が目安です(労働局によって2か月〜1年程度の幅があります)
- 支給申請の手続きは社会保険労務士の独占業務なので、僕が代行することはできません。貴社の顧問社労士さんと連携して進めます
支給されるかどうかは、最終的に労働局の審査で決まります。僕の側で支給をお約束することはできません。
その上で、対象になりそうかどうかは無料相談で一緒に確認できます。
オンラインライブが基本ですが、屋久島、鹿児島以外でも対応できます。もちろん、全国への出張もお見積もり可能です。
よくある質問
Q. AI研修に助成金は使えますか?
A. 条件を満たせば、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の対象になり得ます。中小企業の場合、経費の75%(上限あり)が助成され、受講料40万円/名の研修なら実質負担は10万円/名が目安です。対象者は雇用保険に加入している従業員に限られ、支給の可否は労働局の審査によります。
Q. 少人数のチームでも受講できますか?
A. 人数はご相談ください。助成金は1名あたりで計算されるため、受講人数が増えても1名あたりの実質負担は変わりません。
Q. 経営者や管理職も参加できますか?
A. 参加・同席は可能です。ただし雇用保険の被保険者でない方は助成の対象にはなりません。チームで「誰が何を持つか」を決める初回は、決める立場の方がいるほうが進みます。
Q. 鹿児島市内など、対面で実施できますか?
A. はい。オンラインライブが基本ですが、鹿児島県内・全国への出張研修もお見積もり可能です。日程と形式は無料相談でご相談ください。
Q. 体験型研修やチームビルディング研修と組み合わせられますか?
A. はい、ご相談ください。屋久島の森と焚き火で行う体験型研修と、AI研修は同じ設計思想で組んでいます。順番や組み合わせは貴社の状況に合わせて提案します。
道具は、人が決めた分だけ動く
主任時代の僕に、いま声をかけるとしたら一言です。
「配る前に、決める時間をとろう」
AIは、配っただけでは動きません。チームが「誰が・何を・どう使うか」を決めた分だけ、動きます。
あなたの会社では、その時間、とれていますか?
著者情報:渡邉匠(ちげ)。株式会社創 代表。鹿児島県屋久島町在住。2016年に屋久島の通信制高校へ赴任し、10年間英語・ITの教員として勤務。主任として空回りした経験とコーチングの学びを経て独立し、屋久島の森と焚き火を使った体験型研修・チームビルディング研修、生成AIの業務活用を支援するAI研修、Webアプリ開発を行っている。
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